結論

国土交通省は、物流情報標準ガイドラインを活用した共同輸配送、帰り荷確保、保管・輸送経路の最適化等に向け、物流・商流情報のオープンプラットフォームを構築・運営する事業への補助について、3次公募を開始しました。応募は2026年9月18日17時必着です。1 応募を検討する企業は、単独のシステム導入案件としてではなく、荷主2社以上を含む協議会で共同輸配送の実証に取り組む要件に適合するかを、早急に確認する必要があります。2

ニュースの要点

本事業は、複数の荷主・物流事業者、物流マッチングサービス等の物流ソリューション提供者が連携し、物流情報標準ガイドラインを活用する物流・商流情報のオープンプラットフォームの構築・運営費の一部を補助するものです。1 特設サイトでは、荷主企業2社以上を含む協議会が、同ガイドラインを活用したデータ連携を行い、共同輸配送に取り組む実証事業を対象としています。2

補助対象事業者は、荷主企業および実際に貨物を輸送する貨物運送事業者などの物流関係者で構成される協議会です。対象を中小企業だけに限定する制度ではありません。2 補助率は対象経費の2分の1以内、上限額は1協議会当たり4,000万円です。交付決定は10月中旬頃、事業期間は交付決定日から2027年2月19日までが予定されています。1

物流・SCM企業への影響

【事実】 制度が想定するテーマには、複数荷主の配送情報の集約・可視化、共同保管・共同配送、TMS導入やWMSのデータ形式統一、バース予約、荷主と荷受人のデータ連携基盤が例示されています。2 また、ガイドラインの利用手引きは、その意義と準拠に当たっての手順を紹介しています。3

【実務上の解釈】 採否の検討では、「自社の効率化」を起点にするだけでは足りません。誰と、どの業務場面で、どの情報を連携し、共同輸配送の実証でどのKPIを改善するかを、協議会全体の計画として具体化できるかが重要です。特に、荷主間の配送情報共有や運用責任の整理が遅れると、期限内の応募書類の整合が難しくなります。

今すぐ確認したい3項目

  1. 協議会の組成:荷主企業が2社以上参画し、実運送を担う貨物運送事業者などを含む構成になっているかを確認します。2
  2. データ連携と実証内容:物流情報標準ガイドラインを活用する連携内容と、共同輸配送の実証として示す業務・KPIを整理します。公募サイトで示されたテーマ例を、自社の運用にそのまま当てはめず、実施計画に落とし込めるかを点検します。2
  3. 費用・日程・提出方法:補助率・上限額、交付決定後に完了すべき事業期間を踏まえて実行可能性を確認します。申請書類と必要添付書類は、事務局へ電子メールで提出する方式です。1 2

日本SCM協会の視点

共同輸配送や帰り荷確保は、車両や倉庫の共同利用だけで完結しません。受発注、在庫、配送、荷受けの情報を、企業間で比較・接続できる形に整えることが前提になります。今回の公募は、標準に準拠したデータ連携を、実際の共同輸配送の運用と一体で検証する機会と捉えられます。応募可否に迷う場合は、協議会の役割分担、連携対象データ、費用の対象範囲を早期に固定し、公募要領・様式を確認したうえで事務局に照会することが実務的です。

参考資料

  1. 中小物流事業者の労働生産性向上事業費補助金(共同輸配送や帰り荷確保等のための物流データ連携促進支援事業)の3次公募開始について
  2. 国土交通省 共同輸配送や帰り荷確保等のためのデータ連携促進支援事業
  3. 物流情報標準ガイドライン 利用手引き